【自閉症の僕が跳びはねる理由】東田直樹

自閉症という言葉は聞いたことがある人が多いでしょう。
でも 、どんなものか、知っているでしょうか?

自閉症は、心の病気ではありません。ストレスに負けた、とか、怠けてるとか、わがまま、とか、そんなのではなく、脳の特性なのです。もちろん、お母さんの育て方が悪いからだ、ということは一切ありません。
私は、そこまでは知ってたのですが、重度の自閉症である著者が書いたこの本を読んで、自閉症の方の心の中を知り、本当にビックリしました。

この本は、
「大きな声はなぜ出るのですか」
「声をかけられても無視するのはなぜですか」
という様な質問を、自閉症である中学生の東田さんに投げかけ、東田さんが答える という構成です。
全部で58つの問いがあり、「続 自閉症の僕が跳びはねる理由」では、高校生になった東田さんが61つの問いに答えています。

自閉症児は、
言うことを聞かない。何度も同じことをする。突然大きな奇声を出す。突発的にどこかに行ってしまうので迷子になる。話しかけても答える事ができない。会話ができない。
などから、脳が幼い印象をうけます。大きな体でも脳は2.3歳ではないだろうか という印象を持つのです。
しかし、この本を読むとそうでないことに驚かされます。
会話が出来ないのは、相手の話が聞こえていないのでもないし、理解できてないのでもないし、ただ、心の中で思っていることを言葉として表せないのです。本の中の東田さんは饒舌です。そして、とても客観的に自分をとらえることが出来ており、いわゆる普通の人と自閉症者との違いを驚くほどきちんと認識しています。

強く印象に残ったのは、自閉症者は困っている、ということです。
何度も同じことをしたり、強いこだわりを持っているのを見た時、それは、好きでやっていると思われがちです。しかし、好きだからしているのではなく、脳が強制しているだけで、人形のように操られているだけだそうです。で、それに逆らうと、地獄の底に落とされるような恐怖を味わう。とのこと。だから、本人は非常に辛いし困っている。と。
一人ぼっちで遊んでいるのも、一人が好きだなんてとんでもない。人に迷惑をかけるのを恐れ、自分ができることを単にしている。話さないのではなく、話せない。色んなことに困っています。

いつも人に迷惑をかけて、誰の役にも立てない、ということを非常に辛くも思っています。何かをしても謝る事もできず、態度で示すこともできない。心で泣いていても、ニヤニヤしてしまったり、真逆の事を口走ったりしてしまう。それを辛く思っています。理解できていないのではありません。だから、そんな自閉症者を見て、笑ったり悲しんだり、文句を言ったりしてるのは全部理解しています。自分のせいで誰かがが悲しんでいるのを見るのが一番辛いことです。

また、成長したい欲求も普通にあります。
口から出る言葉や行動が幼く見えるために、学習できないのかと思われがちですが、ムズカシイ本だって読みたいし、議論もしたい。と。ただ、それには非常に時間がかかるから、忍耐強く待ってほしい。とのこと。

口から出る言葉や行動と、心がこんなに違うなんて、本当にビックリです。
すぐ身近に自閉症者がいない人は何をしたらいいのでしょう。
まずは知るということ。知って理解する。
そして、例えば街中で見かけた時、そっと見守る。危ない事をしたら止める。
突然走り出した子をお母さんが追いかける時、お母さんの荷物を見ておいてあげる。下の子をみておいてあげる。そんなお手伝いもできます。
突然の奇声などを、何か気持ち悪いと思う人もいるでしょう。でもそれって、知らないからなんですよね。
知ってると、怖くもないし、気持ち悪くもないし、ただ、温かく見守ることができます。

【理系の子】で、いとこの自閉症の子に、ピアノの音階とアルファベットを結びつけて伝える事であっと言う間にアルファベットを覚えた というエピソードがありました。
自閉症者はバカではありません。何かのきっかけで、才能を外に表現できると良いと思います。そして、東田さんの様に、筆談や文字盤・パソコンで自分の心の内を表現できるには、家族の忍耐強さなど周りの協力不可欠ではありますが、出来るようになることもあります。
私たちは、知る、見守る、ということだけでも、出来る事があるかもしれません。

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