私の周りの “普通″ ではない困ったさん ~アスペルガー、ADHD、うつ、聴覚障害など~

ワガママ
人の気も知らないで
何を考えてるのか分からない
信じられない忘れ物をする
伝わらない

もーーー!!と思ったときに、つい言っちゃう「普通は〇〇でしょ!!」

あうんの呼吸で会話できる、いわゆる “普通″ の人。と、そうではない、困ったさん。一体 ”普通″ って何だろう。困ったさんがどうやったらハッピーに毎日を過ごせるんだろう。そんなことを考え続け、様々な本を読み漁って、いま、思っていること。

きっかけは、10年以上前、身近な人がウツになったとき。まだ、ウツという言葉が世に出始めたときで、そんな人もいるらしいって時に、身近な人がウツになった。テレビでしか聞いたことがないウツになったことで、不思議でいっぱいだった。その後、他にもウツになった人が出たことで、様々な本を読んだ。

朝起きたときに体が動かない。
普段は簡単すぎる、しょうもない単純作業でも間違う。
眠れない。

そんなことなったことない!って事なら、そりゃ変だねってすぐなるんだろうけど、私だってそんな日もあるよ って事だから、なかなか理解しづらい。病院で診断が出ると、あぁそうなのかとなって、ゆっくり休んでねとなるんだけど、病院にいかない人はとにかく頑張ってた。病院に行ってウツと診断されるのが嫌なのか、自分で気づいていないのか、辛そうなのに、眠れてないのに、シンドイと言いながら、頑張ってた。自分の知識もなく、病院行った方がいいよ と声をかけることもできなかった後悔。

他にも、聞こえが不自由な子たち。
当時働いていた会社には、聞こえが不自由な子たちが何人もいた。100%聞こえない訳じゃなくて、聞こえづらい。みんな補聴器をつけてるんだけど、はっきりと話すと聞こえる子。正面で話すと口の動きを見て理解する子。など、聞こえの程度は様々だった。

正面で話すと、口の動きを見て理解する子は、正面で話してると、小さい声で話していてもほぼ伝わる。だから、聞こえている、と誤解される。当時は他の部署だったんだけど、その子が怒られているのを見るのがとにかく嫌だった。上司は、指示するときも、指摘するときも、怒る時も、正面からしてやらない。横並びに座り、パソコンに顔を向けたまま。たまに、「わかるか?」とかいう時だけ横を見る。イライラと指示したり怒ったりしている相手に、さっぱり分からないとは言えない。分かった少ないキーワードから仕事をする。当然間違えたりズレたりする。また怒られる。隣の部署で見ていた私は、どうにかしてやりたくてしょうがなかった。

正面で口をハッキリ動かして、正確に伝えると、ちゃんと仕事できる子は、伝わってないからできないだけ。じゃ「伝わらない」のは、一体誰の問題なのか。私には、その子が悪いとはどうしても思えず、伝える側の問題だと思った。分かっている人が、分からない人に伝える。伝わらない人に伝える。情報が届きにくい人たちに、情報を届けたい。そういうことをしたいと思ったのが、手話を習うきっかけになった。
今、手話を勉強する時間があまりとれてないけれど、45歳になったら手話通訳士になる講座にいけるよう、準備をしようと考えてる。

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そして、アスペルガー、ADHD
知的障害が伴わないから、わかりにくい。前に会った、精神科の先生をしている人は、医学部で勉強をしているときにADHDのことを学び、自分が子供のころにあまりに当てはまることで、自分がADHDだと分かった、と言ってた。子供のころは親や教師に守られ、なんとかうまくい過ごしてきた人も、社会に出て誰にも守られないと、途端に、できない人。になっちゃう。

せっかちさん
あわてんぼさん
わすれんぼさん

他の人よりもかなり激しいんだけど、仕事もできてるし、友達もいる。毎日楽しく暮らしてはいるけど困ったさんってのもいる。私自身、かなりのあわてんぼさん。子供のころから、何度となく親に言われたのが、「大人になったとき、看護婦さんや薬剤師さんになってはいけない」ということ。そんな職業についたら、私はきっと誰かを死なせてしまう。それが本気で心配になる感じのあわてんぼさん。だから、色んな工夫をしてる。仕事でいえば、振込み処理などは極力しない。間違うから。

アスペルガーの場合は、本人も、周りも、アスペルガーだと気づいてない場合も多いと思う。

自分が思ったことだけを言い、それで相手がどう思うかなんて考えてないんじゃないか。
みんなが、そんなの当然だよね と思ってることを、今分かったという風に話してしらけさせる。
ものすごくどうも良いことで怒り出す。
今日の予定が変わるとプチパニックになる。
人のことはネチネチ責めるのに、自分が責められるのは嫌がる。
とにかく自分が正しいと思ってる。

そんなことから、とてもワガママな困ったさん。

それぞれ、みんな自分は全くないってことでもない。ちょっとはそんなこともある。だけど、そうならないように自然に出来るし、心遣いや気遣いをしてる。だからこそ、なんでこの困ったさんは気遣いをしないのか、何でそんなにワガママなんだ。と周りは思ってる。

これが、本人がアスペルガーだと気づいているならまだいい。だけど気づいてないから、ワガママで、空気が読めない変わった人。と思われ、うとまれる。自然に人が離れていき、離れられない関係の人とはケンカばかり。周りも振り回されるし、本人もつらい。

ADHD、アスペルガー、聴覚障害、うつ
脳機能のかたよりであったり、聴覚の障害であったり、心の疾病であったりと、同列で並べるものではないかもしれない。だけど、私の目には「周りは振り回され、本人もとても困っている困ったさん」に見える。

周りも困っている。もう本当に。
自閉症の子育てが手に取るようにわかるマンガ光とともに…全15巻 完結セットを読んでると、家族の苦悩に胸が痛い。訳が分からない子、他の子と明らかに違ううちの子。そして周囲の無理解。無理解からくる、迷惑をうけていると思ってる人達。育て方が悪い、この子おかしい ちゃんと躾けなさい と言われる辛さ。

しかし、自閉症児が書いた 自閉症の僕が跳びはねる理由 (角川文庫)を読むと、困っているのは周りの人だけではないと気づかされる。

会話ができない、突然大声で奇声をあげる、話しかけても無視をする。そんな自閉症児は、困っていないようにも見える。親でも、私の気も知らないで!とやるせない気持ちになることもあるだろう。でも、自閉症の僕が跳びはねる理由 (角川文庫)を読んでると、全部分かってる。自分のことで、大好きなお母さんが困っている。したくてしたわけじゃないんだけど、せざるを得なくてしたことで、お母さんが泣いて謝っている。そんなことも全部分かってる。でも、お母さんにごめんねと言えない自分。言葉を口に出せない自分。一番困っているのは本人。

アスペルガーと診断されたわけではない人たちもそうだろう。
なんとなく、空気が読めないと思わされるのは、空気なんて読めない特性だから。
私の気持ちを全然わかってくれない!と思うのは、相手の気持ちを理解できない特性だから。
ものすごくどうでも良いことで怒り出すのは、色んなことに強いこだわりがある特性だから。

アスペルガーという特性で、そうなってるだけなんだけど、本人も周りもそれを知らないと、単に、とてもワガママな人。
でも、本人だって困ってるし傷ついている。人のことを傷つけたくないのに傷つけてしまう。周りの人と、あうんの呼吸で会話をしたいのに、なぜか変な間を作らせてしまう。一番困ってるのは本人なんだけど、周りの人も振り回されてるのも事実。

一体、どうしたら、本人も周りもハッピーに過ごせるんだろう。

それには、2つあると思ってる。

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困ったさんがハッピーに過ごすための、その1。【認識して、公表する】
困ったさんがいると、まずは、何かしらの特性じゃないか?と、判別する。聴覚障害なんかは、とても分かりやすいけど、脳機能のかたよりや心の病気なんかは、性格なのか何かわかりづらい。しかも、知能が高い人は、昔からそれを隠してうまく生きるために様々な工夫をしているから一見本気で隠れてる。でも、何かしら困ってる。コミュニケーションに困ってるとか、しょっちゅう誰かと喧嘩してるとかあれば、何かの特性じゃないか?と色々調べてみる。

そして、自分や身近な人で、こうじゃないか?と考える。診断を受けるのが一番いいんだろうとは思うんだけど、軽度の場合や、知能が高くてうまく隠す術を無意識に持ってる人は、結局診断が下らないこともあるんだろうなぁと思う。そうなると、じゃ性格ってことだよね、となって、また迷宮入りしそう。

で、一番大きなポイントだと思うのが、自分がそれを受け入れること。

自分はアスペルガーの傾向があるんだ。とか、自分はADHDの傾向があるんだ とかを、受け入れる。自分で自分を認めてやる。それができて初めて公表できる。自分に向きあって、どうすれば良いのかに意識を向けられる。

で、なんで公表すると良いと思うかって、この人、ほんっとにワガママだよね と思われるより、「相手の気持ちを理解するのが本当に苦手なので、とても失礼なことを言ったりするかもしれません。そういう人なんです」 と言われると、ムッときても、まぁそういう人だと自分でも言ってたな、となって、溜飲が下がる。1度や2度では理解してもらえないかもしれない。でも、そこは、分かってもらう努力をするしかない。

困ったさんがハッピーに過ごすための、その2。【知る】

そして、自分自身も、家族も、同僚も、どういう特性があって、どう対応するのがいいのか を知る。
こういう特性は、こういう風にすると良いよ。という一般論があるんだろうけど、結局、自閉症の人は全員同じかと言うとそうでもないわけで、人それぞれの対応や工夫が必要だと思う。
どうするのが一番伝わるのか、どうするのが誤解がないのか、どうするのがハッピーだと感じられるのか。そういうのを、知って、理解する。
光とともに でも、光くんがこういう風にしているときは、こんな風にすると良いんだ!と気づきを、親、先生、友達が共有している。並大抵の苦労ではないんだけど、そうすることで、本人も、周りもハッピーになる。

 

世の中には、沢山の、困ったさんがいる。
妊婦さん ってのも、困ったさんで、仕事が今までみたいにできない、すぐシンドイと言う、いつ急に休まれるか分からない、という、周りから見ても困ったさんだし、本人も、好きで仕事を休むわけでもなんでもなく困ってる。
やる気もあるし、人と仲良くしていたい、人と笑って過ごしたい、人の役に立ちたい、そんな風に思ってながら、上手くいかない不器用な困ったさんたち。いわゆる”普通″ の人だって、明日、交通事故にあって入院したら困ったさんになるし、家族が病気になって、病気の家族を抱えた困ったさんになる可能性だってある。

知る、ということで、助けられることがある。

知る ということで、ハッピーに過ごせるヒントをつかめる。そんな風に、「知ろうと思う気持ち」が広がればいいなぁと心から思います。

 

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