【「孤独」は消せる】吉藤健太朗

先日、大人ばかり50人強で合宿に行ったときに、キャンプファイヤーのプロフェッショナルが来てくださった。大人たちが、小学生のように歌を歌ったりスキップしながら走り回るという、一見苦行に思える時間をとても楽しくエスコートしてくださった。自宅に帰ってから、その方が実はキャンプファイヤーの達人で、地元のボーイスカウトでは知らない人がいない有名な方だと知った。そして、その方 吉藤さんの息子さんが最近本を出されたと知り、読んだのがこの本。【「孤独」は消せる】

吉藤健太朗さん。オリィさん。
小学校5年生から3年半不登校。読めば読むほど、〝変わった人” 笑
一年中黒い白衣を着てるというエピソードだけでも変わってるなぁと感じる。だけど、小学校の頃はもっと変わってた。記憶が必要な勉強は全くできない。授業が嫌すぎて何度も窓から脱走。工作や折り紙は大好きで15時間ぶっ通しで集中。など、できること・できないこと が激しすぎる子供。ほかの子とコミュニケーションをとるのが苦手で、人と同じことができない。

先日キャンプファイヤーでニコニコと走り回ってた吉藤さん(オリィさんのお父さん)も、オリィさんが小学生の頃や、不登校の時期は本当に悩んだだろうなぁと思う。

 

不登校時代、とにかく辛かったのが、孤独感。無気力で寝ることにも疲れ、ただボーっとする日々。自分を必要としてくれる人なんていない。誰ともつながりを感じられず、この世界に居場所がないと思ってしまう。

そんな孤独感を感じ続けた3年半。

変わるきっかけは、中学校の時に母親が申し込んだロボットコンテスト。そこでいきなり優勝。その後、師匠と呼ぶ先生が勤務している高校に入学、高専、早稲田大学を経て起業。
作っているのは、孤独を解消するロボット OriHime

OriHimeの特徴は、人工知能ではない ということ。
人を癒すロボットとして、人工知能のものはよく耳にするが、人工知能ではない。人が操作をする。

操作をする人は、孤独を感じる人。
例えば長期入院で1年間病室。病室にいながらにして、学校の授業に出る。友達と一緒にテレビを見る。そんなことが可能なロボット。

なるほど、と感じたエピソード。
スマホやスカイプなどあるじゃないか?と思われるが、自宅にいる時に、花火大会に集まってる友達に電話をする。会話はするが、会話が終わったら、ごめんねと切られる。これって、一緒に花火大会に行ってる感は全くない。むしろ、楽しんでいるところを邪魔してしまった。楽しそうだったのに自分はそこにいない という寂しさを感じる。
OriHimeは、「そこにいる」ことができる。友達と一緒にその場にいる。そういう「分身ロボット」なのだ。

孤独を強烈に感じた経験があるから、生涯をかけて 孤独を消すロボットを作る。
「コミュニケーションがうまくとれない」「変わった子」「不登校」という、一見、困ったさん。でも、すべての人は必ずいいところがある。小学校や中学校は、学校の勉強ができるかどうかという物差しで測られることが多いけど、人としての魅力や、人として社会に貢献できることはそれだけじゃない。学校の授業という枠にはまらないくらいの大きな可能性や能力を持ってる人がいる。

自分は、何ができるだろう。
自分が、生涯をかけてしたいことってなんだろう。

考えさせられる本でした。

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