【USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?】森岡毅

長男がUSJ大大大好きで、年間パスを買い続けて何年になるだろう。
家族4人分を買うものだから、更新の度に、その金額の高さにおののき、パソコンの前でうなる。
そんなUSJ、確かに最近面白い。ワクワクするイベントが多くあり、期待を上回る面白さと、一度体験しても、また来たい!!と思わせる満足度。エクスプレスパスを買う身分なんかじゃございませんと思っていたけど、あまりの便利さ・時間価値の高さに思わずエクスプレスパスまで買っちゃうほど。 (その分の経費削減で、オニギリをリュックにしのばせてますの。ほほほ)

そんな、次々とヒットアトラクションやイベントを出し続けている著者。
遠巻きに見ていると、いろんなアイデアが浮かび、それが大当たりとなる人っていうのは、天才肌というか、我々凡人とは違うよねって思っちゃう。
確かに凡人ではないのは確かなんだろうけど、それは、生まれ持っての才能ではなく、左脳的な論理的思考に基づいた発想方法なんだよ。というお話。

アイデアをひねり出すときって、ついつい私は
・一から考えようとする。
・何しよっか、と、具体的な方法を考えようとする。
という感じになることが多い。だから、さっぱり思い浮かばず、何から手を付けたらいいのかすらわからずウンウン唸ることになるし、思いついたことが正しいのか正しくないのかも自信がない。

そうじゃなくって、
1.目的は何か
2.どんな条件を満たせばよいのか
3.消費者を理解する
ことが必要とのこと。

1.目的は何か
アイデアを考えるとき、まず、一番はじめに明確にしないといけないのが、何を解決するためのアイデアか?ということ。解決すべき問題点を明確にするって、意外と難しいよね。単なる事象ではなく、イシューの発見ね。

2.どんな条件を満たせたよいのか
やみくもにアイデアを考えるのではなく、思考の範囲を狭めるために、必要条件を考えます。
例えば、長男が大好きな後ろ向きジェットコースター(バックドロップ)を考えた時の条件

①スズメの涙で実現できること(新たな設備投資に回せる資金は約20億円弱)。
②プラス20%の集客増ができる需要喚起の強さを持つこと。
③ 「世界最高をお届けする」ブランドとして恥じない品質であること。  (p122引用)

この条件が定まると、例えば100億円かかるアイデアを考える無駄を省けますし、プラス5%の集客予想となるアイデアを考え付いてもダメだと判断ができます。
ひろーい草原の中から、ここらへんを掘れば宝が出てくるはず!という、思考の範囲を狭めるのです。

3.消費者を理解する
上記2つを実施するうえで、またその後の判断でも絶対的に必要なのが、消費者を理解すること。
この本ではサラッと書かれているだけですが、そもそもUSJに来る人は何を求めているのか?とか、思いついたアイデアは消費者に受け入れられるのか?とか、アイデアが施設として実現し、TVCMを作ったが、そのCMを見た消費者は行きたい!!と思うのか?とか、それらすべては消費者調査を行い、消費者を深く理解することをしているはず。自分自身が沢山やってみることはもちろん、消費者を深く理解することではじめてアイデアが浮かぶし、アイデアが正しいものであるのかどうかの確率を高められるのだと思います。

アイデアマンは、アイデアが自然とポンポン浮かぶ芸術家的天才なのではなく、論理的思考に基づいた考え と、消費者理解によって、成功する確率をどれだけ高められるかを実践しているのだと理解できます。
USJ好きは、こんな裏話があったのね、と身近で面白く感じるでしょうし、USJ好きじゃなくっても、アイデアを考えるときの方法を知ることができる本だと思います。

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