【統合失調症がやってきた】ハウス加賀谷・松本キック、【わが家の母はビョーキです】中村ユキ
統合失調症という病気をご存じだろうか。
芸人の、ハウス加賀谷さんがこの本を出版し、初めて知った人もいるだろう。
ハウス加賀谷さんは、小学五年生の頃からSOSのサインを発する。
塾でノートをめくることができなくなり、余白に書きすぎてノートは真っ黒だった。
中学に入り、何気なく振り向いた時に、女子が下敷きをうちわ代わりにあおいでいたのを見て 衝撃を受ける。
自分が臭いからあおいでいる と受け取ったのだ。
その後、後ろから、友達の声で「かがちん、臭いよ」という声が頻繁に聞こえるようになる。
振り向いても、声の本人は普通にノートをとってる。
これが、統合失調症の症状である「幻聴」
ハウス加賀谷さんの本では、「臭い」という声が止まずに脇の手術をする 。それ位に、本人にとっては、
「本当に聞こえている」ということ。
ハウス加賀谷さんの幻聴は、「臭い」という事だが、
【わが家の母はビョーキです】の母の幻聴は、もっと過酷だ。
飛び込まないとコロス
コロス 死ね 自殺しろ
こんな声が、本人にとっては本当にずっと聞こえ続けるのです。
そういう病気なんです。
家族も大変です。
母の娘(筆者)が10歳の頃、夜中にハッと目を覚ますと、母が包丁で自分を殺そうとしている。
母には「ユキ(筆者)をコロセ」という声が 聞こえ続けてるのです。
本人は泣いてばかりで、口癖は死にたい。たまに自殺しようとし、苦し紛れにお酒とパチンコにおぼれ、時々自分を殺そうとする。
大変ですよね、本人も家族も。
統合失調症って、躁鬱病と並んで代表的な精神疾患だそうです。
およそ100人に1人の割合で発症すると言われています。
でも、身近にあんまりいませんよね。それは、ひっそりと、家族が外に出さない様にしてるのでしょうか。
例えば、「ガンになったんです」と隣の家の人にいえば、
同情されたり、励まされたり、援助されたり、何か色々あるでしょう。
でも、「統合失調症になったんです」と言えば。
それって何?となり、昔は精神分裂病と呼ばれていた と言えば、奇怪なものを見る目で見られる。
そして、迷惑をかけられないかしら?と思われたり、ヒソヒソと噂話をされたりするかもしれません。
変な目で見られる という不安も、これは一体なんなんだろう という怖さも不安もあります。
恥ずかしい病気 と、隠している人もいるでしょう。
統合失調症も病気です。そしてそれは心の病気ではなく、脳の病気です。だから、治療ができます。
ハウス加賀谷さんは、自分が統合失調症だと、この本を通じて発表することで、世の人たちに、「統合失調症って何?」と、知るきっかけを投げかけられたんだと思います。
苦しんでる本人も、苦しんでる家族も、我慢に我慢を重ねて自分たちだけでどうにかしようとせず、地域の相談できる支援所や病院などを頼ることで、少しでも楽になるかもしれません。
周りの人も、知らないからこその不安や怖さも、知るということで、援助の手になったりできるかもしれません。
ウツでも、単なる性格でも、なんでも、これはこういうものなんだ と認識し、理解することがまずは第一歩なんだなと思います。100人に1人というのは、高い確率で、自分や家族が発症する可能性ももちろんあります。
その時に、何か変なのと違和感を感じた時に、早期治療できるように、色んなことを知っておく。というのは大事なことだと感じます。