夫が急逝したFacebookのCOO シェリルの最新作【オプションB】

FacebookのCOO シェリル・サンドバーグ。彼女の著書「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」は、世界中でベストセラーになった。日本ではなく、女性が強いと思っていたアメリカで。しかも、超優等生な道を歩いているであろう人が、自分と同じような気持ちを感じているなんて、思いもしなかったから、とても共感した本だった。女性はついつい一歩後ろに下がってしまいがちで、自分に自信がない。根拠のない自信をもってる男性に知らず知らずに劣ってしまう。女性も一歩前に出よう そんな本だった。

その、シェリル・サンドバーグの夫が突然亡くなった。
訃報を聞いた時もとても驚いたし、あのシェリルはどうなってしまうんだろう と思った。

それから2年。この本が出た
OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

人生に完璧はない。オプションAはもう無理なんだ。ならばオプションBを使い倒そう。
という考え。

ビジネスでは、世界で名だたる大企業のCOOで、日々大変な葛藤や不安や挫折などを味わいながらも大きな決断をこなしているであろうシェリル。だけど、急に何の前触れもなく夫を亡くすと、それは、ただ、ひたすらに、愛する人を突然失った人 になる。

受け入れられない悲しみ、喪失感、辛い思いの中でも子供たちを育てていかなければいけない現実。そんな中、悲劇のあとのレジリエンス 回復力について考えていく。

様々な困難や悲劇にあったとき、人はどうして回復すればよいのか、友人がそのような悲劇に見舞われたときには自分はどうふるまえばよいのか。それらが書かれている。

姉の夫が亡くなった。
自分の友達が離婚をした。
会社の同僚の子供が亡くなった。
友達の子供が発達障害だと分かった。
一緒に受けた友達の子供が受験で不合格になった。
旦那の浮気がわかった。
リストラにあった

大小さまざまな 【言いにくいこと】 それらに、自分はどうすれば良いのか。
言いにくいこと、それは、部屋の中の大きな象。
部屋の中に大きな象がいるのに、お互い見て見ぬふりをし、触れない。それが多い。だけど、大きな象がいることはもちろんお互い気づいている。でも触れない。

シェリルがすすめているのは、向き合う事。
大きな象を知らないふりをしない。大きな象がいるね。と、話をする。
子供を亡くした友人に、その子の話をすることはタブーにしない。まるでいなかったかのような、亡くなったという事実がなかったかのようなふりをしない。「どうしているの?どんな気持ちでいるの?」と聞いてやる。
目の前にギプスをはめた人がいたら、みんな一斉に「どうしたの?」と聞く。だけど、人生が打ち砕かれたときには何も尋ねない。

気を遣っているのだ。辛い会話をわざわざだして、友人を辛い気持ちにさせたくない。だれしもそう思う。だけど、それが返って孤独感をあたえ、忘れられたような気持になる。

つい最近のことでいえば、うちのお兄ちゃんが去年高校受験で第一志望校に落ちた。
子供が悲しい思いをしているということ、泣きたくなるほど辛い思いをしているだろうなぁと思うだけで私が泣けてきた。だからって、そのことに触れないでいられるより、どうだった?と聞かれ、悲しいね と言われる方が良かった。
だから、自分から、「ダメやってん~」と言ってた。受かったんだろうか、落ちたんだろうか と聞きづらい状態でいられるより、自分で言っちゃおうと思えたから。相手はギクリとした感じで一瞬固まるんだけど、触れてはいけない話題でなくした。

でも、10年以上前に流産したときはそんなわけにはいかなかった。本当に欲しくてほしくてしょうがない時だったから、流産したことに気持ちが受け止められず誰にも言えなかった。そんな時に、旦那のお父さんからかけられた言葉により救われ、人に話せるようになった。
そしたら、周りの人が「私も流産したことあるんよ」と、声をかけてくれた。それが、驚くほど多くて、こんなに多くの人が流産を経験してるんだ ということだけでもなんか救われた。

自分自身、友達や家族、同僚や知り合い、悲劇にあったときに、どうするのが良いのか、どうやって向き合えばよいのか。単なる悲しみの日記ではなく、オプションBに進むための指南書になっている。心の中をさらけ出しているから、共感を感じる。

これからの生き方、他人への接し方が変わる本に出会った。

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